Pro Tools LEを使った楽曲制作レッスン4
今までやってきたオーディオレコーディングでは、ほとんどライン録りが中心でした。そこで、本チャンに使えるマイク録りの方法をコンデンサーマイクを使用しながら体験。
また、マルチティンバー音源と言われる「Sample Tank SE」を使いながら、さらに、打ち込みをするにあたって必要なMIDIの仕組みについて学んでいきます。
コンデンサーマイクの使い方
アコースティックギターのレコーディング
Yさんは、AKGのC3000というコンデンサーマイクもお持ちのようなので、コンデンサーマイクの使い方のレクチャーをするために、アコギのレコーディングを体験していただきました。
そもそも、マイクには大きく分けて「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」があります。
コンデンサーマイクはダイナミックマイクに比べて、高感度。小さな音でも拾いますし、レンジが広いため、繊細な音を録音するのに向いています。特に、アコギは大変豊かな響きがあるので、それを余すことなく録りたいというのであれば、コンデンサーマイクを使うのがオススメです。
しかし、大変精密に出来ているため、落としたら壊れます(笑)最近のものは多少頑丈なものもありますが、取扱いには丁寧にしないといけません。
対して、ダイナミックマイクは、ライブハウスやリハーサルスタジオなんかで良く見るSM58(通称「ゴッパー」)が代表格で、コンデンサーマイクと比べてレンジを負けるものの、少し落としたぐらいでは壊れません。また、中音域が豊かで、ガッツのある音が録れることから、それはそれでたくさんのプロミュージシャンも愛用しています。
さて、コンデンサーマイクは、digi002とただケーブルでつなげても使えません。ファンタム電源というのが必要で、digi002からケーブルを介して電気を送ってあげないと、音を拾うことができないのです。ファンタム電源は、マイクプリアンプについていることが多いですが、中にはついていないものもあります。digi002は、プロ仕様の機材ですから、もちろん対応しています。
また、コンデンサーマイクは繊細なものです。ファンタム電源を入れるとき、切るときなど、いろいろと注意点がありますので、レコーディングするにあたって、覚えておきたいことをお教えしました。
レコーディングは奥が深く、マイクで狙う位置でコロコロ音が変わります。ベストな位置を探すのは、経験がモノを言うのですが、Yさんには、私があちこちにマイクを立ててみて、その音の違いを体験していただきました。特に、近接効果といわれる、音源に対してマイクを近づければ近づけるほど、低音域を拾いやすくなることなどをお話しさせていただきましたね。
ベスト思われるセッティングをしたら、さぁ、早速レコーディング開始です。
MIDIの仕組みを学ぶ
マルチティンバー音源の使い方
MIDIデータの送り先チャンネルを表示MIDIデータを送ることによって鳴らすシンセサイザーのほとんどは、現在マルチティンバー音源と言われるものになっています。
今回Yさんがお持ちのPro Tools LEには、 Ignition Packがついていて、その中にSample Tank2 SEというマルチティンバーに対応したソフトシンセが含まれていました。
そこで、MIDIトラックを作り、Sample Tank2 SEを鳴らしてみるということをYさんに体験していただいたのですが、まず、MIDIトラックのMIDIデータ送信先が16chまでしかない理由を説明しました。
マルチティンバー音源とは、シンセサイザー1台で同時にいくつもの音色が鳴らせるもののことを言うのですが、MIDIを扱うにあたって、必ず覚えておきたいことは、MIDIケーブル1本で送れるのは16chまでであることです。
MIDIケーブルを使わないソフトシンセであってもこれは同じ。特に、Sample Tank2 SEは、そもそもTRITONなどに代表されるワークステーションタイプのシンセサイザー(いろいろな音色が入っているそれ1台で楽曲制作可能なシンセサイザー)をソフトシンセにしましたというものなので、同時に使えるのは、16chまでであり、言い換えるならば、16音色まで使えるということなのです。
また、混同しやすいのが、MIDIチャンネルとMIDIトラックの違い。
ひとつのシンセサイザーに送れるMIDIチャンネルは16chまでですが、MIDIトラックはPro Tools LEの場合、256トラックまで作ることが出来ます。
では、なぜ256トラックも必要なのか。例えば、Sample Tank2しかシンセを持っていない場合、16トラックまでしか使えないのか…そんなことはありません。
例えば、ドラムパートをMIDIトラックひとつに全部打ち込む必要はないのです。ひとつのMIDIトラックにバスドラム、スネア、ハイハットなどを打ち込むことも出来ますが、バスドラム用のトラック、スネア用のトラックとMIDIトラックを分けて打ち込んでも良いのです。ただし、各々の送信先MIDIチャンネルは、例えば「Sample Tank2 SEのチャンネル-10」と同じにしておけば、バラバラのトラックに打ち込んだデータでも、ひとつのチャンネルにアサイン(設定)したドラムの音色が鳴ります。
つまり、Sample Tank2 SEしか持っていなくて、しかも、16chまでしか受信できなくても、MIDIデータを編集、管理するにあたって、ユーザーが扱いやすいようにたくさんMIDIトラックが作れた方が便利なときがあるから、Pro Tools LEは256トラックもMIDIトラックが作れるようになっているんですね。


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